半農生活のための「簿記」(その2)

実は、Aさんに半農半Xの「X」の部分で、簿記や会計関係の仕事を
オススメしたのは、

もう一つ理由があります。

これから、非正規雇用の人が増えていく中で、
「個人」の生活について、「簿記」的な考えが非常に
必要とされていくのではないか

と言う事です。

Aさんは現在お勤め中の会社で正社員として働いていらっしゃいますが、
交際中の女性の方は、ご自分でピアノ教室を開いている他に、
派遣で働いていらっしゃるのだそうです。

Aさんが言うには、
「自分はしなかったけれども、彼女は確定申告に行ってきたみたいだ」

そして「確定申告と年末調整ってどう違うんですか?」

と質問してきました。

僕はこの手の質問をよく受ける事があるのですが、

実は、こうした質問の中に、半農生活のための「簿記」についての
社会的ニーズを感じているのです。

今まで、終身雇用制の中で、ほとんどの人は
会社に所得の計算を任せていれば済んでいたと考えることができるでしょう。

今のところ、「正社員」であるAさんも、
そう済ませてきました。

正社員であっても、
仕事は大変かもしれない、

しかし、まあ、とにかく、月々、ほぼ決まった額の給与が振り込まれ、
明細書には「税金」がこれだけ天引きされていると記載されているかも
しれませんが、

そこはあまり意識しないで、とにかく、会社に任せておけば、
だいたい、この程度の額が月々振り込まれ、
後は、年末になったら、何か書類を提出すれば
それでいい

だから、Aさんは、確定申告と年末調整がどう違うか?
を考えなくても生きてこれたのでしょう。

ところが、Aさんの彼女のように、
ピアノ教室を開業しながら、派遣で働く、

つまり、自営で稼ぐ部分と、非正規雇用で稼ぐ部分を
ミックスしながら、生計を立てるとなると、

「所得」の計算を会社任せにしないで、
自分で計算していく必要が出てくる、

これは単に税金を納める都合上と言うだけでなく、
自分の生活を自分で計画し、成り立たせていくために
必要な事がらとして、

自分の人生経営の収支を把握する事も存在している、

そういうことなわけです。

そして、簿記は、まさに、収支を把握する営みそれ自体だとすれば、
簿記は人々の人生経営を支援する道具になりうる、

僕がAさんに将来の半農生活において、
半農半XのXの部分で「簿記」的な仕事を考えてみたら
とアドバイスした理由がここにあるわけです。

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