3)野菜の四季と生長パターンを学ぶのが早道

時季や気候に応じてどんな農作業をするか判断するのが、「シーズン技術」です。
農家の「暗黙知」、「経験知」と呼ばれ、継承が難しいとされる部分のほとんどはここに集中しています。
同じ季節でも年によって気候は違い、20-30年以上農業をしてきた人でも、初めて経験ような事態に出会う事もあります。農業技術が「奥が深い」と言われるゆえんです。
ただ、農業未経験の都会人でも、学習の仕方によっては、3年程度で一通りの事が出来るようになるのは可能です。
学習のポイントは2つあり、一つは野菜の栽培時季、つまり、どの野菜をいつ植えて、いつ収穫できるか一通り理解する事です。
もうひとつは、野菜の生長パターンを学び、生長と気象との関係を理解するように努める事です。
一般的に、野菜は発芽、生育、結実の三段階で生長し、それぞれの段階に適した温度や水分条件があります。例えば、ジャガイモの発芽適温は10~23℃で、生育適温は18~25℃、イモの肥大適温は17~23℃です。
真冬では気温が低すぎるので、芽が出ませんが、あまり春遅くなってから植えると、イモの肥大期が夏場にかかり、肥大適温以上になってしまうので、丸々としたイモが収穫できなくなります。
そこで、例えば、埼玉県周辺では、春ジャガイモは3月の春分前後に植えて、6月頃収穫する方法が取られています。
このようにそれぞれの野菜の生長パターンと気象条件の関係を学び、どの野菜をいつ植えて、いつ収穫するか理解しておくと、「今年は例年より少し温かいから早めに植えよう」と言うように、年毎の気候条件の違いに対応しやすくなります。
何らかの農業研修を年間で受講して、様々な野菜の生長パターンや栽培時季を体系的に学んでおけば、受講後、だいたい3年ぐらいで一通りの事が出来るようになります。
独学はあまりお勧めできません。農業経験ゼロの状態から独学で試行錯誤を繰り返すと「一通り」覚えるだけで10~20年以上かかってしまうこともあります。
失敗をした時に、体系的な知識がないと、なぜ失敗したのか、原因を正しく理解できないことが多いからです。
同じ季節の同じ野菜の栽培は年に1回しか出来ません。同じ間違いを繰り返すうちに年月が過ぎてしまい、気づいたら10年以上も過ぎていたと言うことになりがちです。
栽培技術を覚えるには、どこかで何らかの研修を受けた方がよいでしょう。

二十四節季と年中行事

 

二十四節季は、天動説で考えた太陽の軌道を24等分して作られています。

太陽が動いていると考えた場合でも、1年は365日になり、年間の季節の巡り行きを

よく表わしていると言えます。

年中行事は、これらの節季と密接な関係を持っています。

また、野菜の栽培カレンダーも二十四節季と関連付けると、理解しやすくなります。

 

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