普通の仕事の研修で「一度聞いたら覚える」なんて事はないんじゃないか?

ホリエモンさんが、寿司屋さんになるのに修行は要らないと
言ったとか、言わないとか、話題になっているようですが・・・。

それはともかくとして、農業と言うか、野菜の栽培覚えるのに
どんな訓練がいるのか、

これは今まであまり議論されてこなかったんじゃないかと思います。

でまあ、前回書いた、農業実習の時に、「集まって下さい。これから説明します」
と言って、受講している人に集まってもらって

種まきなら種まきのやり方を説明するスタイル、

このスタイルに問題があるのではと思うようになったのは、
自分自身でも受講生みていて、
そういうやり方だと、結局、覚えないんじゃないかと感じたからなのです。

野菜と言うのは、「畝(ウネ)」と言って、帯状と言うか、筋状に土を盛り上げて、
そこに種まきしたり、苗を植えたりする、

これはホウレンソウだろうと、ダイコンだろうと、どの野菜でも
あまり変わらない。

農村に行って、歩いていると畑に野菜が一列に植えられているのを
見た人も多いと思いますが、

野菜が植えられているすぐ下の部分は、土が盛り上げられていて、
地面より一段高くなっています。

あれが「畝」です。

で、あの「畝」を作るのにどうしたらいいか?

実は、一条植えと言って、一つの畝に一列に野菜を植える場合と
二条植えとか、五条植えと言って、何列も植える場合、

それから、全層施肥と言って、予め地面に肥料や堆肥ばらまいておいて、
土と混ぜていく場合と、

溝施肥とか、局所施肥と言って、地面に溝を掘って、そこに肥料を埋めて、
溝を埋めた後、更に上に土を盛り上げて畝を作る場合では、
手順が違います。

そして注意すべき点も違います。

一条植えには一条植えの、
二条植えや五条植えには二条植え、五条植えの
そして、全層施肥には全層施肥の
局所施肥には局所施肥の

「そうする理由」があるわけで、
「その理由」を考えてみた場合、
注意しなければならない点も変わってくるわけです。

では、仮に座学やって、ある程度、そういう理屈教えたとして、
それで現場で、じゃあ、ここに注意して、こういう手順でやって下さい
って説明したとして、

受講する人が、
その通りできるか?と言うか、
その通りやるか?

と言うと「やらない」んです。

まあ、中には出来る人、やる人もいますが
「出来ない」、「やらない」を前提にして考える必要がある。

そもそも、農業じゃなくても、普通の事務作業でも
なんでもいいですが、

ハイ、集まって下さい、これはこういう理由で、こういう手順で作業するんです
って説明受けて、

ハイ、では、自分でやってみて下さいって言われて、
出来る人ばかりかと言うと、そうではない、

あれ、どうするんだっけ?ってまごつく人もいれば、

あんまり考えなしに、やり始めちゃって
教えた手順と違っている人もいる。

そういう風にやる理由を考えてみたら、
違ったやり方をしたらいけないって事を

耳では聞いた、
記憶として頭の中にはある、

だけど、現実の行動に反映されない、

これ、いろんな職場の業務研修で日々繰り返されている事なんじゃないでしょうか。

つまり、「ハイ集まって下さい、説明します」で
スキルが身につくかと言えば、
身につかない人がかなり多い、

とすれば、野菜栽培の指導でも、「ハイ集まって下さい。説明します」方式は間違いなんじゃないだろうか?
僕は段々そう考えるようになってきました。

自動車教習方式・2日間で基本技術を学ぶ。半農予備校・菜園起業大学「基礎講習」
第一回株主総会討議資料「なぜ基礎講習なのか」

Follow me!