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アジサイイメージ画像

遅まきのキュウリでも収穫が始まった理由~2020年6月

見沼菜園クラブではオクラの収穫が始まりました。

キュウリやズッキーニは2-3週間前ぐらいから収穫が始まっています。

昨年の出荷記録と比較した場合、ほぼ同時期と言えます。

種まきの方は、昨年以前はだいたい4月半ば、オクラは早ければ3月に行っていますが、
今年はゴールデンウィーク前後でした。

つまり、今年は、例年より半月程度、種まき時季が遅れたにも関わらず、
ほぼ同時期に収穫が開始出来た事になります。

1980-2020年6月の毎年の最高気温積算値を見ると、
2020年6月は、第二位で非常に「暑い6月」だった事がわかります。

降水量は第10位、日照時間は第11位でした。

1mm以上の雨が降った日は、
1980-2020年毎年の6月の中では38%に対し、
2020年6月は53%とかなり頻度が高くなっています。

つまり、今年の6月は例年に比べ、
暑く、雨も(そして雨が降った日も)多かったが

日照時間も多かったと言えます。

夏野菜の生育が早まりやすい条件が揃っていたといえるでしょう。

立夏からの5℃以上有効積算温度の推移(平年値 と 2020年)

5/1を起点に5℃以上の有効気温積算値が1000℃を超えるのは、
1980-2020年の日毎の平均値で計算すると、6/21ですが、
2020年は6/17と4日早かった事がわかります。

降水量、降雨日数、日照時間が例年より多かった事を考えると、
この間の野菜の生育は1週間~10日程度、早く進んだ可能性があります。

例年より半月遅れのスタートにも関わらず、収穫開始がそれほど遅くならなかったのは、
こうした条件によるかもしれません。

例年より1ヶ月早い収穫をもたらしたもの~2020年5月

お花見が早かった今年ですが、
4月のさいたま地方は7年ぶりの「涼しい春」だったようです。

7年ぶりの「涼しい春」

とは言え、冷え込む日は少なく、雨も適度な間隔で降っていたので、
あまり野菜の生育にブレーキがかかることはありませんでした。

5月は再び「暑い」状態になりました。

平均気温、最高気温の月積算値は、1980-2020年の歴代9位、
最低気温積算値は歴代5位の暖かさでした。

冷え込む日が少なく(と言うより最低気温が5℃を下回る日は皆無)
暑い日は30℃近くになる状態でした。

雨もそこそこ降っていて、4-5日おきには降雨が観測されていました。

5月は、例年、2-3月に種まきした葉物や根菜類の
収穫期です。

見沼菜園クラブでは、今年はいつになく早く、例年より1ヶ月ほど早いような気がしていました。

最高気温積算値の推移(平年と2020年)

この「実感」を裏付けるのが、最高気温積算値の推移です。
1980年~2020年までの毎年の日毎の平均値、例えば、2月1日なら2月1日について1980年から2020年までの最高気温を平均したものを
「平年値」として、それを積算したものを2020年の値と比較しています。

今年はうるう年ですが、平年値については、毎年2月分を2/28まで積算した後、3/1を2/29と読み替え、
以下、1日づつ繰り上げて計算しています。

気象データを扱う場合に、この処理方法で良いかどうかは、厳密には議論があるところです。
ただ、今年と例年を比較して、今年のだいたいの特徴をつかむと言う目的に使うなら、
この方法でも差し支えはないと思います。

さて、「この方法」で比較してみると、
5/1の今年の積算値は、1361℃ですが、
平年値でこの値に到達するのは5/22-23です。

5/5の今年の積算値は、1500℃で
平年値では5/29頃に到達する水準です。

つまり、今年は、例年5月下旬~末に到達する最高気温積算値に
ゴールデンウィークの段階で到達していたと言う事になります。

昨年は連休明けに季節外れの「霜」が降りましたが、
今年はそういう事もありませんでした。

立春以来の暖冬、暖春が継続し、
ブレーキ要因が少なかったため、

「1ヶ月早い」収穫期が実現したと思われます。

なお、見沼菜園クラブでは、カブやコマツナがかなり「育ちすぎ」で無駄になりました。
過去の気象データを活用して、
野菜の生育予測をする事が実現していけば、
こうした「ロス」の削減にもつながっていくと思います。

7年ぶりの「涼しい春」、しかし、冷え込む日は少なく雨が適度な間隔で降っていた~2020年4月

今年はソメイヨシノの開花が早かったので、
暖冬・暖春のイメージがありますが、

4月のさいたま地方についてみると
そうでもなかったようです。

さいたま地方、4月の気温積算値の変化

4月1ヶ月間の最高気温の積算値は、1980年以来、少ない方から数えて8番目で、
2012年以来7年ぶりに550℃を下回りました。

平均気温の積算値、最低気温の積算値も、ともに1980年以来、少ないから数えて第6位でした。

さいたま地方、4月の最低気温の日変化

ただ、日毎の最低気温を見ると、昨年より5℃を下回る日が昨年は9日間あったのに対し、今年は2日だけでした。
4月上旬は、昨年は0℃を下回る日が2日、1℃台、2℃台の日も各一日で2℃台以下の日が4日もありました。
一方、今年は1日もなく「冷え込む日」が少なかった事が分かります。

さいたま地方、4月の降水量の日変化
雨も適度な間隔で降っていたようです。

日毎の降水量をみると、今年はほぼ1週間に一度ぐらいは、降雨があったようです。

4月の気温の積算値だけでみると、
「例年より涼しい」ようでも、

2月以来の暖冬・暖春で2-3月植えの野菜は、4月を迎えるまでにかなり育っていました。
冷え込む日が少なく、雨も適度な間隔で降っていたため、野菜の生育には適した条件が維持されたようです。

見沼菜園クラブでも、2-3月まきの葉菜・根菜類は例年よりやや早めの収穫を迎えました。

桜イメージ画像

2月からの積算で春野菜の収穫期が早まる~2020年3月

2020年2月は、過去最高レベルの暖冬だったとレポートしました。

過去40年間で最高水準の暖冬。中下旬は数日おきのお湿りで野菜は育ちやすかった~2020年2月

3月も過去最高レベルの暖かい春だったようです。
1980年から2020年まで、さいたま地方3月の最高気温積算値は、
一位 2013年 509.7℃
二位 2018年 505.1℃
三位 2020年 479.3℃
四位 2002年 473.0℃
五位 2019年 453.1℃
で、2020年は過去40年間で三番目でした。
昨年は第五位、一昨年は第二位で、
このところ、非常に暖かい3月の年が続いている事がわかります。

1980年から2020年までさいたま地方3月の最低気温積算値は、
第一位 2018年 162.6℃
第二位 2002年 155.3℃
第三位 2013年 148.6℃
第四位 2020年 147.9℃
第五位 2019年 144.2℃
となり、
今年は第四位です。
一昨年は第一位、昨年は第五位で
最低気温レベルでみても、このところ、冷えこみが少ない3月が
毎年続いている事がわかります。

このように今年の3月は相当の暖かさだったことは事実ですが、
昨年、一昨年も相当の暖かさでした。

今年は昨年よりも桜が咲くのが早く、
春野菜の収穫も早まっています。

この原因は、3月が暖かいと言うだけでなく、
2月も暖かく、お湿りが多くて、春野菜の生長が早かったからではないかと
思われます。

最高気温積算値の推移(2019年と2020年)

桜の開花は立春以来の最高気温積算値が600℃になる事が目安とされています。
今年と昨年の立春以来の最高気温積算値をみると、今年の方が600℃になるのが2日、
700℃に達するのが4日早い事が分かります。

植物には生長期があり、
発芽直後はゆっくりと育っていますが、ある程度大きくなった後、急速に生長するようになります。

今年2月に種まきされた野菜達は、2月中にかなり育つ事が出来たため、
3月に入り、順次生長期を迎え、これまでにない程早く収穫期に達するようになったのではないでしょうか。

梅とメジロ、春の訪れイメージ画像

過去40年間で最高水準の暖冬。中下旬は数日おきのお湿りで野菜は育ちやすかった~2020年2月

2020年2月は、過去最高レベルの暖冬だったようです。
1980年以来の2月のさいたま地方のデータと比較してみると、

最高気温積算値は、トップ。
最低気温積算値も第二位となっています。

日中のポカポカ陽気も最高レベル、
夜間・明け方の冷え込みもこの時季としては非常に少なかった

それが2020年2月のさいたま地方だったようです。

さいたま地方、2月の最低気温の日変化
上のグラフが示しているように、今年は2月12日を最後に最低気温が0℃を下回る日がなくなっています。
昨年は20日過ぎでも0℃未満になる日がありました。

バレンタインデーは、ローマで小鳥が最初にツガイで飛ぶ日と言われています。
日本流に言うなら、梅にウグイス(メジロ)と言うような春の訪れの風景が見られる時季と言う事でしょうか。

実際、今年はバレンタインデー頃から冷え込みも少なくなり、暖かい日が続いたと言えます。

また、雨も頻繁に降ったようです。
さいたま地方、2月の降水量の日変化
2020年2月のさいたま地方の月間降水量は8.5ミリで、これは同時期のものとしては1980年以来下から数えて第三位です。
降水量から見ると、「乾いた2月」だったと言えます。

しかし、例えば、昨年2月は35.5ミリと今年の4倍の降水量でしたが、中旬は1ミリ以上の降水があった日はありませんでした。
これに対し、今年はバレンタインデー以降、中1~3日で1ミリ以上の降水が記録されています。

つまり、2020年2月のさいたま地方は「ドカ降り」はなかったが、けっこう頻繁に「お湿り」があったと言えます。

冷え込みがなく、晴れた日はポカポカ陽気、頻繁なお湿り、

こうした気象条件を背景にして、野菜の生育は極めて順調でした。
立春~バレンタインデー過ぎ頃から春野菜の植え付け・種まきは本格化します。
種まきされた春野菜はいずれも順調に発芽し、生育しています。

1月の畑・白菜イメージ写真

最低気温が最高(1980年以来・積算値比較)。霜害が少なかった年明け~2020年1月

2019年のさいたまの気象データ解析は1985年以来のデータを比較対象にしてきましたが、
2020年からは、1980年以来のものを対象にすることにしました。

元々、数年前に気象データ解析について試行錯誤を始めた頃、
過去30年のデータを元に平年値を算出すると聞いて、
1985年からのデータを比較対象にして作業をしていました。

昨年は、各地にシェアできるように、
スプレッドシートで自動的に集計やグラフ生成をするひな型づくりを優先させ
比較対象のデータとしては1985年以来のものを使ってきたわけです。

スプレッドシートのひな型がだいたい固まってきたのを受けて、
2020年のデータ解析を始めるにあたり、比較対象をどうするか、改めて考えてみました。

調べてみて、気象庁データベースでダウンロードできるさいたま市の観測値は、
1977年12月以降のものである事がわかりました。

どうやら、全国的に1977-79年頃に設置された観測点が多いこともわかりました。
(その頃に、観測点の数が増えたようです。)

今後、全国的に気象データを使って、野菜の生長や相場を予測していくネットワークを
呼びかけていき、参加者の人達にスプレッドシートのフォームをシェアしていく事を
考えた場合、対象とする期間も揃っていた方が、各地で相互比較しやすいでしょう。

そこで、各地の観測点が整備された後の1980年以降のデータを比較対象とする事にしました。

2020年1月のデータ解析は、新しい比較対象期間を用いての最初の試みとなります。

さいたま地方、1月の最低気温の日変化

2020年1月のさいたま地方は、この時季としては非常に暖かかったようです。
最高気温の積算値は、1980年以来、歴代2位でした。
最低気温積算値は、なんと1980年以来、最高値となりました。

日ごとの最低気温を昨年1月と比較してみると、2019年は0℃を下回る日が25日もあったのに、
2020年は6日しかありませんでした。

さいたま地方、1月の日照時間の日変化

1月としては雨も多く、日照時間0.0時間となる日が7日間もありました。

こうした気象条件が野菜の生育に与えた影響を考えてみると、
「悪くない」と言えるのではないかと思います。

まず、雨が多いと言っても、「1月としては」多めと言う事であって、
降り続く事はあまりありませんでした。

このため、日照不足に陷るほどの状態ではなかったようです。

晴れた日には、最高気温は10℃を超えていました。
霜よけのため、農ポリ等で「トンネル」をしていた場合、
トンネル内は、20℃を越えることもあり、光合成が進むには十分な気温が確保されていたと
思います。

冷え込んだ時にも、トンネル内は1-2℃は外気より高めになると思われますので、
霜が降りる事はあまりなかったようです。

夜間は日照がないので光合成は進みません。
夜間の気温が高いと呼吸が活発になり、光合成産物が消費されて、野菜の生長が進みません。

霜が降りる事はないと言っても、トンネル内が5℃以下になっていれば、
呼吸は抑えられていたと思います。

つまり、トンネルで保温された状態では、
昼間は比較的光合成が進みやすい一方、
呼吸による消耗が比較的少ないので、

光合成産物が野菜の生長に回される率が高く、霜によるダメージも受けにくい
「そこそこに」野菜が育つ状態で保たれたと見られます。

実際、見沼菜園クラブでは、昨年の台風19号通過後、
「ダメ元」で種まきした葉物類をトンネルしていたところ、
かなり育ち、1月に収穫できました。

地元野菜宅配サービス・野菜のマイクロマーケットは、
供給不足でお届けセットが欠品するのではないかと
危ぶまれていたのですが、

なんとかその事態を回避する事が出来ました。