「水無月(みなつき)」は旧暦6月の事で、新暦7月ごろに相当します。
梅雨明けして水が無くなる月と言う意味だという説もあります。
ところで今年は「梅雨明け」が分かりにくい年でした。
6月27日頃、早々に梅雨明けしたものと見られるとの発表がありました。
しかし、その後、梅雨の戻りではと思えるような状態になりました。

実際はどうだったのか、さいたま市の観測データを見てみると、7月に入り、早々に日照時間が10時間未満の日が続きました。
ただ、降水量1mm以下の日も多く、曇っているが雨の日は少なかったようです。
この後、7月9日に日照時間10時間超えを記録しました。12日には降水量73mm、13日と15日には27-28mmとなりました。
12日~15日の雨は、梅雨明け時季に多い集中豪雨とも比較されました。
本当の梅雨明けは、6月末ではなく、7月中旬だったのでしょうか?
実のところ、農作物との関係では、あまり、「梅雨入り」、「梅雨明け」の日付にこだわらなくてもよいと思います。
梅雨は5月下旬の梅雨の走りと呼ばれる頃から7月の猛暑到来までの時季で、今年に関しては、こういう推移だったと考えて対処した方がよいと思うからです。
とにかく、7月半ばの土砂降り状態をはさんで、今年は猛暑が続きました。
土が乾燥する事も多く、ニンジンの発芽がよくありませんでした。また、この頃から育苗を始める秋物のキャベツやブロッコリーの発芽にも影響しました。
毎年、6-7月は長梅雨になったり、空梅雨になったりします。
雨が降りそうだからよく発芽するのでは種まきしたら、全然降らず、高温で土が乾き、あまり発芽しなかったと言う事も体験しました。
そうした天候の変化に対応した種まきや農作業の方法を工夫する必要を実感しています。

なお、5月の梅雨の走りの頃から畑では雑草が繁茂しやすくなります。
上のグラフは1980-2022年の日ごとの最高気温、最低気温の平均値を表しています。
小満の少し前、5月17日頃までは最高気温平年値は22℃台ですが、小満(5月21日頃)後から24℃台に上がります。
この頃から雑草の繁茂が目立ち始めます。
芒種(6月6日頃)前の6月4日、いったん、26℃台になった後、しばらく25℃台が続きます。
その後、夏至(6月21日頃)前の6月16日頃から26℃台となり、6月27日頃から27℃台となります。
この頃から雑草の勢いがましてくるように感じます。
小暑(7月7日頃)前の7月4日あたりから28℃台、小暑過ぎの7月10日以降、29-30℃台の日が多くなります。
大暑(7月23日頃)以後は、31-32℃台で推移するようになります。
この頃になると、雑草の生育速度が早くなり、足元ぐらいの高さの雑草が、1週間後に膝や腰ぐらいの高さにまで達する事もしばしばです。
こうして見てくると、畑の雑草の繁茂は最高気温が2℃ぐらい高くなるごとに「レベルアップ」しているように感じます。
今後は、雑草の観察を継続し、気温をもとにした「分かりやすい目安」を作っていきたいと考えています。
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