昨日、かわぐち菜園クラブで、
会員の方が育てている菜の花が
被覆してある透明ポリの下で
「葉焼け」を起こしているのを
発見しました。
当初、カブを育てていると聞いていたのですが、
実は菜の花でした
と言うご申告を聞いて、
ポリを撤去してもらうことにしました。
その際、その会員の方に下記のような説明をしました。
「コマツナ、チンゲンサイ、カブ、菜の花を比較してみた場合、
同じように葉が育っていくが、
コマツナは葉長20-30cm程度になった時に
葉を収穫して食べる、
この時、葉柄部分の太さは数ミリで、
これ以上育つと、葉柄部分が硬く感じる
(消費者の意見としては、
茎が太くて硬いと言う風に表明されることがある)
一方、チンゲンサイは更に生長して、葉柄が3-4cmと
ミニ白菜のようになってきても、
柔らかいし、
むしろ、その方が大ぶりのチンゲンサイとして、
消費者に好まれることがある
ところで、葉数10枚、葉長20cm程度ぐらいまでは、
本葉の光合成産物は、次の葉を出すことに使われているが、
それ以降は余剰生産物が生じてくる。
その余剰をカブの場合は、根を太らせることにまわしていくが、
秋に遅まきしたカブの場合は、生長期が寒い時季に入ってくるため、光合成が進まず、根が太りにくくなる。
そこで、透明のポリシートをかけて保温し、生長を促進することを推奨してきた。
十分生長しないまま、冬越ししたカブは、
春暖かくなって再生長を始めた途端、
ツボミをつけ、花を咲かせてしまい、
根を太らせることがないまま終わってしまう。
ところが、菜の花の場合、むしろ、そのツボミを
収穫することに主眼がある。
だから、ポリシートに葉が接触し、「葉焼け」を
起こすようになっている場合、
カブだと、シートを剥がした方がいいかどうか微妙だが、
菜の花なら、むしろシートを剥がして越冬させた方がよい
と言う判断ができるようになる。」
こういう説明の仕方がなぜ重要なのかと言うと、
「生長パターン」~「各野菜の可食部がどう形成されるか」、
を論理的に述べ、
「数字」で生長状態を示していく事で、
農家の「勘」に基づく判断「(暗黙知、経験知と呼ばれる部分)」を
ある程度、初心者の人にも理解させることができるようになるからです。
昨日、思ったのですが、
今までも「生長パターン」を示しながらの説明は実施してきましたが、
この間、
「葉長」や「葉柄」のサイズ等を計測して、
気象データと比較する作業を行うようになってきて、
より論理的でわかりやすい説明が可能になってきている
ようです。
今後は、こうした説明を菜園教室で実施する努力を
日常的に継続する、
つまり、日常努力の「戦略的継続」が、
「野菜栽培のレッスンプロ業界」形成につながっていくのではないかと考えます。