保温に似ているところもあるのが、「霜よけ」です。
霜害は、空気中の水分が凍結して、野菜に付着することによって生じます。
これを防止するのが、霜よけです。
霜よけの方法の一つは、保温です。
水分の凍結は、0℃で生じるので、野菜の表面付近の温度が0℃以下にならないように、
保温すれば、霜よけになります。
ただ、単元2Aで説明したように、気温が0℃以上でも放射冷却現象によって、
霜が降る事はありえます。
通気性が悪い保温資材で畝や野菜を覆った、その畝・野菜全体から放射冷却現象によって
熱が奪われ、霜が降ることもあります。
通気性がよく、保温性に劣る寒冷紗を用いた方が、徐々に地表や野菜表面の熱が、
外気に逃げていくので、霜が降りない事もあります。
茶畑で用いられている霜よけの方法には、大型の扇風機のようなものを回して
空気を撹拌すると言うものがあります。
このように、保温だけでなく、換気をしたり、通気性を保つことも、
霜よけの方法として使われる事があります。
よく笹等を畝の周りに挿しておくと、霜が降りにくいと農家の人が言う事があります。
これも通気性を良くして、放射冷却現象を防ぐ工夫の一つです。