カブの春まき品種を考える(その2)

カブの春まき品種についての考察を続けます。

山梨県果樹・6次産業振興課の資料
https://www.pref.yamanashi.jp/kaju/documents/kabu_1.pdf

によると、

春まきには
「生育初期の低温でとう立ちしやすいため、晩抽性の品種を用います。」

とあり、

やはり、春まきに向くのは、抽だい(ツボミをつけること、トウ立ちとも言います)が遅い品種だと
されています。

種苗会社である「武蔵野種苗」の情報誌には、
八王子の事例として、
http://www.musaseed.co.jp/wp/wp-content/uploads/2017/09/no36_santi_01.pdf
「冬場は主に『CR雪峰』(武蔵野交配)を播種しますが、3月上旬からは『白寿』(武蔵野交配)、4月中旬から『碧
寿』(武蔵野交配)となります」

と記載されています。

カブの産地として有名な柏市についてのレポートでも、
https://www.pref.chiba.lg.jp/ap-toukatsu/toukatsu/documents/kokabu.pdf

春どり種として、
「CR白涼、CR雪峰など
万寿、小雪丸など」

と書かれており、

どうやら、各地で評価を受けている春まき品種は、
CR白涼、CR雪峰であることがわかります。

この他、
例えば、
種苗店のウェブページ
http://tane.jp/akiyasai/kabu/kabu.htm

では、
春まき種として、
早生今市小カブ
みやま早生小カブ
理想覆下小カブ
理想金町小カブ

などが掲載されています。

また、タキイの「スワン」については、
秋まき種として紹介されていますが、

菜園クラブで、春まきして成功した経験があります。
スワンについては、他の農家の方も
割りと年中安定して育ってくれると言う評価もあります。

2018年は、これらの品種の比較栽培をしてみたいと思います。

カブの品種を考える(春まき編 その1)

カブはかなり古くから日本に伝来した野菜で、
様々な品種があります。

もともと秋まきが主だったようですが、
現在では、周年栽培と言って、
年間を通じて栽培・収穫ができるようになってきているようです。

さて、今回は、春まきに適した品種と言うものを考えてみたいと
思います。

熊本県野菜振興協会の「熊本のやさい 耕種基準」
http://www.k-engei.net/contents/koushu_standard/65%E3%82%AB%E3%83%96%EF%BC%88%E5%91%A8%E5%B9%B4%E6%A0%BD%E5%9F%B9%EF%BC%89.pdf

によると、

「低温期を経過するので 抽だいが遅く 、 、
肥大の早い品種を使う必要がある。」

として、
「CR白涼」 「白鷹」と言った品種をあげています。

抽だいと言うのは、野菜が花のツボミをつける「トウ立ち」の事です。
カブや大根は、ツボミができると、光合成産物を地下部を太らせるために
転流するより、
花を咲かせ、種を作る方に回すようになるため、
丸く太ったカブはできにくくなります。

抽だいが遅い品種を晩抽性と言います。

冬の寒さを経験した植物は、春暖かくなってくると
花を咲かせようとする性質があることがあります。

早春まきしたカブや大根などの抽だいも、種まき~発芽期が寒いと
起きやすいと言われています。

「低温期を経過するので抽だいが遅い」品種を選ぶべきだと言うのは、
気温が低い時期に種まき~発芽したカブは
ツボミを咲かせ、地下部を太らせなくなりやすいので、
出来る限り、そういうことが起きにくい品種を選ぶべきだと言う事です。

また、光合成は気温が高い方が活発に起きます。
光合成が進みにくい低温期でも、
根が太りやすい「低温肥大性」の品種の方が
早春まきに適すると言う事になります。

ところで、早生と晩生の品種を比べてみると、
一般論としては、「早生」の方が
生長が早いので低温期でも玉を太らせそうに思えます。

しかし、早生品種は、ツボミをつけ、
花を咲かせるのも早い場合が多く、

カブの場合、「ツボミをつけるのは遅いが、
玉が太るための生長は早い」

と言う2つの性質を併せ持つ品種が
早春まきに向いていることになります。