3)食文化も影響している

コマツナと菜の花は、同じアブラナ科の植物であり、
南関東地方では、秋作の場合、9月~10月頃にかけて種まきされます。

コマツナは1ヶ月~2ヶ月で葉がある程度育った段階で収穫されるので、
作型は「秋まき冬どり」となります。

菜の花は、葉茎が育った後、ツボミをつけたものを
収穫します。
早い場合には、9月まきした菜の花が11月頃からツボミを収穫できるように
なります。
本格的にツボミを付けだすのは3月頃で、その後5月頃までツボミの収穫を続けられる場合もあります。

そこで菜の花の作型は「秋まき冬春どり」と表現することができます。

では、コマツナの「ツボミ」は食べられないのかと言うと
そういうことはなく、

3月頃、コマツナのツボミを「コマツナの菜の花」として収穫・販売する場合もあります。
また、菜の花も、ある程度葉茎が育った段階で「間引き菜」として収穫・販売できます。

菜の花の間引き菜を買って食べて、「アクが少なくて柔らかいコマツナ」と言った人もいるぐらいです。

ですから、コマツナも菜の花も、秋まきした後、1-2ヶ月後に葉茎を収穫して食べる事もできますし、
春まで置いてツボミを収穫して食べる事も可能です。

ただ、コマツナは本来は「葉茎」を食べる事を前提に育てており、
ツボミは収穫が遅れてしまったコマツナの「副産物」を考えられているのに対し、

菜の花は、本来「ツボミ」を食べるために育てていて、
ツボミをつける前の葉茎だけの状態で間引きされたものが
「副産物」だと考えられているわけです。

このように「秋まき冬どり」のような作型の表現は、
野菜の生長段階だけでなく、
食文化も前提になってなされている事にも
注意しておきましょう。

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カテゴリー: 1alvcm
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