梅雨期の種まきでは、日射、温度、降雨等、
いずれも過酷な条件を考慮に入れる必要があります。
6月22日前後は夏至で、一年で最も太陽高度が高くなる時です。
雲がない場合、日射も年間で最も強くなります。
このため、降雨がない日には、土が乾燥してしまうことがあります。
乾燥防止だけを考えるなら、マルチをするのも一つの方法ですが、
強い日射を受けた後、熱がマルチの内側に籠もると
かなりの高温になります。
その結果、種や苗が「煮えて」しまうこともありえます。
また、豪雨で種が流されてしまうこともあります。
いわゆる皐月晴れは、旧暦五月、つまり、新暦6月頃に
強い日射を受ける状態をさします。
五月雨は、やはり旧暦五月の雨を言い、
どちらも梅雨期の現象です。
乾燥、高温、種の流亡を防ぎながら
発芽を促進できる方法の一つが、
「溝底播種」です。
これは、地面に5センチ程度の深さの溝を掘り、
その底に種をまく方法です。
種をまいた上から、切ワラやモミガラをまいたり、
溝の上に敷きワラをしたりします。
モミガラや敷ワラは、強い日射に地面が直接さらされることと
地表からの水分の蒸発それ自体を防いでくれます。
また、種が溝の底にあるため、豪雨時にどこかに流れていくことも
防いでくれます。