春の葉菜や根菜類の多くは、2月-3月まきして
4-5月頃に収穫する作型で育てられています。
一方、夏の葉菜や果菜類は、4-5月頃植え付けられ、
梅雨明け以降に本格的な収穫期を迎えます。
このため、5月後半から6月前後は、露地野菜の端境期になりやすい時季となります。
また、モロヘイヤのような夏の葉菜類がある程度収穫できるにしても、
コマツナ、ホウレンソウ、カブ、大根のような「ポピュラーな」葉菜・根菜類は
夏に不足しがちです。
これらの「ポピュラー」な葉菜・根菜類を
5月後半~6月以降に収穫できれば、
半農生活で野菜直売を実施する場合にも有力と思われますが、
梅雨期は害虫の被害が多く、なかなか「決定打」と言える対策は
見つかっていません。
以下は、現在までに提案されているいくつかの方法についての解説です。
1)農薬の使用:梅雨期は雨の日が多いため、農薬が洗い流されてしまう事も起きやすく、農薬を使用したから完璧な防虫が出来るとは限りません。
2)防虫ネット:梅雨期に葉や根を食い荒らすキスジハムシ等の昆虫はかなり微小サイズのものが多く、1mmメッシュの防虫ネットでは中に入り込んできます。
侵入を防ぐためには、0.6mmなど、かなり目の細かいものが必要になります。土中に卵があった場合、ネット内で孵化して、活動することも考えられるので、
ネットの使用により昆虫被害を完全に防ぐことは難しいと思われます。
3)太陽熱消毒:水分を与え、ヌカ等を施した上で、透明な農ポリや農ビで土壌を覆うと、地中の温度はかなり上昇します。これにより、害虫の卵や雑草は死滅すると考えられています。
太陽熱消毒実施後、防虫ネット等で覆えば、新たな侵入が防げるので、害虫被害はかなり抑えられると思われます。
ただ、梅雨期に生育~収穫を迎える野菜の種まき・植付は、4月頃です。太陽熱消毒はその前に実施しなければなりません。
しかし、3月~4月初に地面を農ポリ・農ビで覆って、害虫を死滅させられるほど、地温を上昇させられるかはかなり疑問です。