田園景観保全を考えていくため、
過去の地価変化の分析を続けています。
川口市内の1970年から1971年にかけての
公示地価の変化をチェックしてみると、
下記のようになりました。
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地点番号 町名 1970(昭45)1971(昭46)増加額 増加率(%)
川口1 並木町2丁目 50,000 58,500 8,500 17.0
川口2 南町 30,000 36,000 6,000 20.0
川口3 江戸袋字下郷中 18,000 23,000 5,000 27.8
川口4 芝中田町1丁目 42,500 50,000 7,500 17.6
川口5 芝字峯町 29,000 35,500 6,500 22.4
川口6 道合字在家 24,000 30,000 6,000 25.0
川口5-1 栄町3丁目 395,000 415,000 20,000 5.1
川口5-2 栄町3丁目 240,000 250,000 10,000 4.2
川口5-3 栄町3丁目 105,000 108,000 3,000 2.9
川口9-1 領家4丁目 19,500 23,300 3,800 19.5
鳩ヶ谷1 鳩ケ谷本町4丁目 29,500 36,000 6,500 22.0
鳩ヶ谷2 桜町3丁目 20,000 23,500 3,500 17.5
鳩ヶ谷3 南7丁目 27,300
平均値 83,542 85,854 2,312 2.8
最高値 395,000 415,000
最低値 18,000 23,000
標準偏差 0.282572 0.270326 -0.012246
(最高値を1とした場合)
単位:円/平米
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今回より新たに「鳩ヶ谷3」が地点に選ばれ、公示地価が示されています。
最高値は、1970(昭45)年、1971(昭46)年とも、
「川口5-1(栄町3丁目)」で、平米あたり1970年395,000円、
1971年415,000円で、増加額2万円、増加率5.1%でした。
最低値は、1970年、1971年とも鳩ヶ谷2(桜町3丁目)で、1970年20,000円
1971年23,500円、増加額3,500円、増加率17.5%でした。
興味深いのは、1970年段階で平米あたり10万円超えの地点は、
1970-1971年の増加率がいずれも5%台かそれ未満であるのに対し、
平米あたり1~2万円台の地点は、15%以上の伸び率を示していることです。
最高値を1とした場合の標準偏差(数値のバラツキを表す指標です)は、
1970年0.282572に対し、1971年0.270326でわずかに減少しており、
駅前で高地価な場所と、郊外の低地価の場所間の「地価のバラツキ」が
縮小し始めていることが分かります。
駅前もそうでない場所も地価が値上がりしているが、
バラツキは縮小、
日本列島改造論の直前、
高度経済成長からバブルに向かう出発点における
地価の動向はこんな風だったわけです。