基本技術の「反復学習」は出来ているのだろうか

農作業着イメージ写真

農業の研修で種のまき方なり、畝(列状に野菜を植えるためにスジ状に土を盛り上げた場所)の作り方なりを
教えても、

説明を聞いていない人が多い
説明どおりにやらない人が多い

と言う話を書いてきました。

そして、通常の仕事の研修でも、これはそうなんじゃないか
と申し上げました。

一般的に何らかの作業の習得は、以下のように述べる事が出来ると思います。

まず、ある作業の経験者・熟練者の人は、
この作業は、どこを注意してやらなければならないか、
どこがポイントかを理解しています。

しかし、初めてやる人は、そうした事柄を理解していません。

もちろん、事前に座学で説明すれば、注意事項を知識として伝える事はできるでしょう。
けれども、説明どおりに身体が動くとは限らないのです。

だいたい、机の前に座らされて説明を聞くと言うのは、
聞く側にとっては退屈なものです。

眠いなぁ、早く時間が過ぎないかなぁと思いながら聞いている人も多数。
座学での説明は、「実際にやる時になったらまた聞けばいいや」と思っている人も多いのではないでしょうか。

仮に座学の時に集中していたとしても、実際に作業に取り掛かるとなると、
身体が説明で聞いたとおりに動かない

と言うより、説明を受けた内容と自分の身体の動きが結びついていない、
説明で聞いた知識は頭の中だけにあり、
実際、どういう風に身体を動かしたらいいのか
分からないと言う人も多いと思います。

(逆に言うと、知識を得るだけでは身体の動きとは結びつかないと言う体験を
しているからこそ、座学は適当に聞いていればいいと言う態度になりがちなのかもしれません。)

実際に身体を動かしてみる、
そこで、そこの部分が違う、もっとここに注意して等と
指導員や研修官から指摘されて、

あ、ここに気をつけなければならないんだと思うようになる、

そして、次は、指摘された点に気配りしながらやってみる、

そこで、さっき言った点は直ったから良かった、
今度は、この点に注意するようにして下さいと言われる、

こういうような事の繰り返しで、その作業について、マスターしていく
作業の習得過程は、そのようなものである事が多いと思われます。

作業は反復学習で覚える
覚えるためには、反復学習が必要

そういう事だと思います。

では、農業の研修で反復学習が行われているか
と言うと、
実際は行われていない事が多いんじゃないかと
思います。

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