障がい者の人が出来る野菜栽培マニュアルづくり、この間、僕が考えてみて、自分で試してみた案を、菜園教室に来た人達にやってもらいました。
今回は、田引き紐を張って、それに沿って「踏み犂」をあてがい、マルチを剥がす作業です。
まず、紐を張る位置が議論になりました。
僕は畝のセンターにポールを立て、そこから45センチのところに紐を張るとしました。
紐を張った後、最初、参加者の方が、草を取って、マルチの裾がどこにあるかチェックしようとしたので、
いや、それだと意味がない、夏場だと、もっと草に覆われていて、裾がどこにあるか分からない、どこにあるかを正確に見極めて、草を取ってから、マルチを剥がそうとするから手間がかかる、
また、草を抜く時、根がマルチに絡んでいて、一緒に引き抜き、マルチが裂けてしまうので、剥がす手間もよけいにかかるし、暑くて湿度が高いせいもあって、マルチ剥がしが「嫌」になってくる。
そうした事を避けるために、どこに裾があるかではなくて、位置を決めて、紐を張り、紐に沿って、踏み犂をあてがって、草ごと掘り起こしてしまう、
こうすれば、障がい者の人にも、やってもらえるはずだし、そうでない人にとってもやりやすい方法になるはずだと
趣旨を説明しました。
すると、参加者の人から、「でも、実際にはマルチの裾がある位置に沿って踏み犂をあてがうと、紐に接する位置ではなくて、紐から少し離れた位置になる」との疑問が呈されました。
ここにはその人の「癖」が出ているように思いました。「紐に沿って踏み犂をあてがう」と言う場合、紐に接した形で踏み犂の歯をあてがっているのか、紐が張られた位置の地面の下に歯が入っていって、掘り起こす事を考えて、5-10センチ手前から斜めに歯を入れているのか、
「解釈の幅」があるわけです。
また、紐に接するように歯をあてがうと言っても、その位置で垂直に踏み犂を地面に刺し、地面の中で犂を斜めに動かして掘り起こすのか、最初から斜めに刺していくのかと言った事にもその人の「癖」があるように思われました。
更に、参加者の人の体格、例えば、上背がある人とない人では、実際に掘り起こしている位置にも違いがある事が分かりました。
こうなると、その人の癖や体格をチェックし、その人に合わせて、紐を張る位置を調整する「個別カスタマイズ」が必要かななどと農作業をしながら、話し合いました。
障がい者の人も出来る野菜栽培のマニュアルづくり、実際に、菜園教室の参加者の人に加わってもらって、試作したマニュアルに沿って作業をしてもらうと、自分ひとりで試していた時とは違う問題がいろいろ見えてきます。