実は、年間実習方式は、反復学習になっていないのではないだろうか。

農作業イメージ画像

いろいろ考えてみて、
教わる立場に立った場合、
年間実習方式は、反復学習になっていないのではないか

僕はだんだん、そう考えるようになってきました。

なぜか?

「種まき」なら「種まき」と言う基本操作を繰り返して覚える機会を
提供されていないからです。

隔週=月2回ぐらいのペースで行われている年間実習は、たいてい以下のような形で進められています。

第1回 ニンジンの種まき
第2回 ダイコンの種まき
第3回 ホウレンソウの種まき
第4回 ジャガイモの植付



第1回の実習で初めて農作業をすることになった人達は
ワクワクしながら、

土ってこういうふうに耕すんだとか、
クワってこんなふうに持つんだとか、

新鮮に驚き、感動しながら、ニンジンの種まきを終えることでしょう。
そして、第2回の時に来場して、前回、自分がまいたニンジンの芽がまだ出ていないのを
みて、失敗したのかなぁ、自分のやり方が悪かったのかなぁと
ちょっぴり不安になりながら、

今日のテーマである「ダイコンの種まき」に取り掛かる。

土の耕し方やクワの持ち方に、前回よりは少し慣れたものの、
前の時とは少し季節が進んでいて、
暖かさも違えば、雑草の生え具合も変わってきている、
そんな畑の風景にまた感動しながら、
その日の課題を終えて帰路につく、

そして、第3回、第4回ぐらいで、ニンジンやダイコンの芽が出てきているのをみて、
感動し、またワクワクしながら新たな課題に取り掛かっていく・・・・

方々の農業実習の場で繰り返されている楽しい風景です。
僕もこういう年間実習を開催してきました。

しかし、このやり方は、
反復学習としては不十分なのです。

いや、そんな事はない、
ニンジンだろうと、ダイコンだろうと、ホウレンソウだろうと、
「種まき」には「種まき」としての共通性がある、
それを三回も繰り返している、

反復学習の機会を与えているではないか?

そういう反論もあり得ると思います。

しかし、それは教える側の理屈であって、
教わる側にとってはそうでないのではないかと思うのです。

こういう年間カリキュラムを前にした場合、
教わる側からすると、まず、

へぇ~、ニンジン育てるんだ、ニンジン大好き、
ふーん、次はダイコンか?、ダイコンってどういう風に育つんだろう?
ホウレンソウも種から育つんだぁ

みたいな感じで受け取るのではないかと思います。

そして、実習時には、ニンジンとかダイコンとかと言う以前に
初めて触れる畑の土に感動したり、

実習のたびごとに季節が進み、
野菜の生長速度や雑草の生え方が変わってくる事に目を奪われたり

と言う方が多いのではないかと思います。

受講者の人達は、「種まき」なり「土の耕起」なりと言う「基本操作」を
反復学習すると言う心理状態になっていないまま、
毎回の実習に出てきていると言えるでしょう。

それでも、確かに、野菜の種類が違っても、「種まき」には「種まき」の共通性があるので、
その共通性に気づく人もいるでしょうし、作業として慣れてくる人もいるでしょう。

しかし、ニンジンとダイコンの種まきは、どこが「同じ」でどこが「違う」か?
どんな野菜であっても「種まき」が持っている共通性、
基本操作としての種まきのエッセンスを理解出来る人は、
非常に少ないと思います。

大部分は、なんとなく「種まき」と言う作業に慣れたと言う感じで
実習を終えていくと思います。

つまり、年間実習方式は、「種まき」と言う基本操作に
習熟させるための反復学習の場になっていない、

そう評価せざる得ない、

僕は、自分自身への反省も含めてそう考えるようになったのです。

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