オートバイの運用状況は、通常条件(ノーマルコンデション)と過酷条件(シビアコンディション)
に分けられます。
野菜の配達での利用は後者になります。
実は段ボール箱を満載して、国道を疾走するバイクを見ていて、
あ、あれをやればいいじゃん
って思ったのが、地元野菜宅配サービス・野菜のマイクロマーケットでの
バイク採用のきっかけでした。
ただ、野菜を満載して疾走する事を業務として日常的にやると言う事は
相当、過酷な条件でオートバイを駆使することになります。
当初、バイクを購入した時は、その点をあまり深く考えていなかったので、
2年ほどで使い物にならなくなりました。
2台目の時は、そのへんはかなり考えて導入を図ったので、もう少し長持ちしました。
さて、過酷条件で使うバイクの条件です。
まず、「原付き」は駄目で、最低限「二種原付き」でないといけません。
これは「過酷条件」以前の問題で、原付きバイクは、最高時速30キロ、
搭載量30キロ以内に制限されています。
これが二種原付きだと、最高速度60キロ、搭載量60キロまでOKになります。
この違いはかなり大きいです。
大根や白菜など冬野菜を運ばねばならない時季に
30キロまでの荷物を時速30キロで運ぶのと、
60キロの荷物を時速60キロで運ぶのでは効率に大きな差が生まれます。
ちなみに僕が買った1台目のバイクは原付きで2台目は二種原付きでした。
野菜を満載して、バイパスを60キロで突っ走った時、スピード感の違いに
とても感動したのを覚えています。
一般道では、大きな道路であっても、自動車も50-60キロに速度制限されています。
ですから、二種原付きと自動車に速度的な差はあまりありません。
オートバイの方が小回りが効くだけにかえって効率が良い面もあります。
二種原付きは、原付きと違い、普通自動車免許を持っていれば乗れると言う事はありません。
ですから自動車免許を持っている人でも別途免許を取りに行く必要があります。
僕の場合、教習所で5月の連休プラスアルファぐらい通って、取ることが出来ました。
費用はウェブ申し込み割引で6万円台で済みました。
免許の区分やとり方については、改めて詳しく説明します。
さて、二種原付きなら車種はなんでもいいかと言うと、そんな事はありません。
やはり、過酷条件での運用に使えるものでないとなりません。
直接は、バイク自体にかかる負担の問題とは異なりますが、
ギアチェンジはオートマ、ブレーキはフットブレーキタイプのものが
望ましいです。
相当な重量の野菜を積んで
50-60キロの速度で走行する事もあれば、徐行する事もあります。
気を遣う点が多い運転の中で、
マニュアル車では、ギアチェンジにも気を遣わねばならず、
これは相当の精神的負担です。
オートマ車ばかりの自動車の世界と違い、
バイクはまだまだマニュアル車が健在です。
郵便や新聞配達などに遣われているバイクにも、マニュアル車が見られます。
雇われて「配達稼業」をする場合、その職場の車種が
マニュアル車であれば、それを運転せざるえないでしょう。
しかし、自分で菜園起業をして、野菜を配達すると言うなら、オートマ車を選んだ方がよいでしょう。
なお、自動二輪の小型AT限定免許では、二人乗り可能な車種を運転する場合でも二人乗りは許されていません。
また、高速道路への乗り入れも不可です。
ですから、高速道路を通ってツーリングしたいとか、二人乗りがしたいと言うなら、
AT限定でない自動二輪免許が必要です。
単に野菜配達に使うと言う場合なら、小型AT限定免許で問題ありません。
それから、長時間に及ぶ野菜配達業務を考えた場合、
フットブレーキ、つまり、自動車同様に、足でブレーキを操作するタイプの方が
疲れにくいと言えます。
次回、更に過酷条件に適した車種の選択について解説します。