序章 問われなければ知っている。

皆さんは、「時間」とはなにかと質問されたらどうお返事されますか。

そうです、誰もが毎日過ごしている、気にしているあの「時間」です。

いや、時間だろ、そうだな、時間は時間だから・・・
大切なものなんだよ、

当たり前のように接している「時間」ですが、
いざ、説明しようとすると、なかなか、ちゃんと説明できない、

それが「時間」と言うものですね。

キリスト教の教父、つまり、教義を作り上げた人物の一人アウグスティヌスは、
「問われなければ知っている」と言う名文句で、
この事情を言い表しました。

「時間について、質問されなければ、自分はよく知っている、
しかし、質問されると、自分は何も知らない」

アウグスティヌスは、「時間論」をこういう言葉で始めています。

彼の時間論が秀逸なのは、「時間には始まりがある」と言う事を
おそらく史上初めてきちんと論じた点でしょう。

アウグスティヌスは、神による世界の創造を論じるために、
物事には何らかの始まりがある、

その始まりの「前」と言うものはない
(つまり、それ「以前」には「時間」と言うものすらなかった)

と言う事を主張しています。

現代科学は、ビッグバンで宇宙が始まったとしていますが、
実は、神様の代わりにビッグバンを持ってきているだけで、
それ以前には「時間」と言うものすらなかった
と言う主張には変わりがありません。

時間がない状態では、「以前」とか「以後」と言うのも
ありえないので、
「時間」と言うものが生まれる「以前」には時間がなかった
と言う表現も変と言えば変ですが、
こういう風に言う他ないのでしょう。

カントによると、時間は先験的認識様式、
つまり、人間が物事を認識するには、時間とか空間と言う形を取る他ないと言う事なんだそうです。

今、この文章を読まれている方も、画面上で見るにしても、紙に印刷するにしても、
文字を順に追っていく他なく、
時間、空間と言う枠組みの中で思考せざる得ないと思います。

カントの考え方では、「時間」と言うものが存在しているのではなく、
人間が物事を考えるための「枠組み」が「時間」と言う事になります。

ですから、神様かビッグバンか分かりませんが、
「『時間』以前」と言うのは、もう人間が認識できないもの、

人智の限界の外側と言う他なくなります。

さて、「時間」について述べるのは、このぐらいにして、
本題の「農業」について考えてみましょう。

農業について、あまり詳しくない人でも、
なんとなく農家の人が大変だとか、
農業をやる人が減っているとかと言う事は
漠然と知っていると思います。

実際、日本では農業人口は減り、
遊休化した農地が増えています。

こうした状態に対して、農業はこうすれば活性化する、
再生できる、いろいろな提言がなされています。

様々な提言には、それぞれに聴くべき点があります。
ただ、では、なぜ農業は大切なのか?、
どうして農業を活性化・再生しなければならないか
と言う点にはあまり触れられていないような気がします。

なぜかと言うと提言をする人たちの多くが
農業について詳しい人達だからです。

農業について詳しく知っているからこそ、提言も出来るのですが、
逆に言うと、自分が詳しく知っている「農業」について、
農業の現状が心配だと言うところから話し始めている場合が多いのです。

今のままでは駄目だ、だから、こうなってほしい、こうしてほしい
その気持ちはよく分かります。

しかし、では、なぜ、農業が大切なのかと言う事はあまり語られていないのではないでしょうか。

このコーナーでは、農業がなぜ大切なのか、いろいろなデータや資料に基づいて、
取り上げていきたいと思っています。

専門的な情報も多く取り上げますが、
おそらく、「時間とはなにか」より簡単に説明できると思います。

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