今年(2019年)はお花見こそ例年より早く始まったものの、
その後は寒い日もあり、
各地からジャガイモやオクラの発芽が遅いと言った報告が聞かれました。
では、今年の春は寒かったのでしょうか?
気象データを元に考えてみました。
1985年から2019年まで、さいたま地方における毎年4月の気温積算値を求めてみました。
そして、最高気温の積算値を低い方から順に並べたのが上の表です。
過去35年間のうち、2019年は18位になっており、ほぼ真ん中に位置します。
今年は気温積算値がそれほど低い年でも、高い年でもなかったようです。
では、なぜ、寒いのかな、発芽が遅れていると言う声が聞かれたのでしょうか?
今年の平均気温の積算値は398℃でした。
平均気温の積算値が300℃台になるのは、2010年に349℃を記録して以来の事です。
2011年403℃、2012年402℃とわずかに低下したもののほぼ横ばいと言っていい状態、
2017年は426℃と前年より低下、
この2点をのぞけば、2010年代はほとんど「増加傾向」にありました。
そして、昨年(2018年)は491℃と過去35年間の最高値となっています。
このように、このところ、どちらかと言えば、暖かい4月が続いており、
しかも、「一昨年より昨年、昨年より今年」とより暖かくなる傾向がありました。
そうした傾向に「慣れて」しまっていた事が、
今年の4月が「寒い」と感じてしまった理由のひとつかもしれません。
気象データと野菜の生育の関わりについての考察を今後も続けたいと思います。