今年4月はジャガイモやオクラの発芽が遅れました。
今年(2019)の春は寒かったのか
冷え込む日が多かった2019年4月
見沼菜園クラブでは、夏野菜の生長の遅れを挽回しようと、
5月になってからオクラの種まきをしたりしたのですが、
なかなか発芽してきませんでした。
新商品として期待していたアシタバも
5月5日に種まきした後、ずっと芽が出ず、
もう駄目かと諦めかけた6/1、発芽が観察されました。
こうした発芽遅れの原因はなんだったのか、
気象庁の観測データを元に振り返ってみたいと思います。
まず、積算気温のグラフを見る限り、
例年に比べて、今年5月が特別に寒かったと言うことは
言えないようです。
むしろ、ここ数年は年々より暖かくなる傾向にあることが
グラフから読み取れます。
過去35年間の5月の気温積算値の順位を見ると、
寒い順に並べた場合、平均気温の積算値33位、最高気温の積算値32位で、
かなり暖かい方にランクインしています。
最低気温の積算値は25位で平均気温や最高気温の順位に比べると
やや「寒い側」にずれています。
最低気温が5℃、または10℃を下回った日を見ると、
2019年は、5℃を下回った日はなく、
10℃を下回った日は4日間ありました。
過去10℃未満の日が10日あった年(1993年)もありました。
1992年、2013年には7日を記録しています。
これらと比較して、10℃未満の日が4日間と言うのは、格別多いとは言えないものの、
過去35年間に4日以上あった年は、13回なので、例年より冷えこむ日がやや多かった事は確かなようです。
最低気温が5℃だった日は5/8でいわゆる「泣き霜(通常、八十八夜(=2019年は5/2)を過ぎると霜が降らない(別れ霜)とされるのに霜が降り被害が出てしまう事)」が起きた日でした。
霜が降りると言う事は、地表や植物体表面で水分が凍結することなので、
気温が0℃以上でも、なんらかの形で地温の降下が起きていると思われます。
霜が降りないまでも、気温10℃未満の時には地温がかなり低かった日もあったかもしれません。
降水量について見ると、積算値では過去35年間で少ない順で14位、
1mm以上の雨が降った日は、第1位でした。
いちどきに雨が降ったとしても
翌日以降、雨が降らなければ土は乾いていきます。
やや冷え込む日が多く、そして、最も土が乾いていた5月、
それが2019年5月なのかもしれません。
発芽の遅れはこうした事から説明出来るのではないかと思われます。
今後も毎月の気象データと野菜の生育の状況を比較しながら
考察を続けたいと思います。