2020年千葉の春夏ニンジンの生育環境はどうだったのか。

これまで3回に渡り、この間のニンジン価格上昇の原因を考えてきました。

2020年3月以降、価格上昇気味のニンジン

産地の栽培暦と産地リレー

市況情報で見るニンジンの価格変化

2020年3月以降、東京23区内のニンジンの小売価格は高値で推移していること、昨年、今年とも千葉・徳島・北海道の「産地リレー」でニンジンが供給されていること、大田市場の市況情報で見ると、必ずしも入荷量が減っているから高値になっているとは言えないことなどを報告してきました。

ところで、産地である千葉の春夏ニンジンの生育環境はどうだったのでしょうか?

成田地方の2019年と2020年の気象データを比較してみました。

(+は、2020年の方が到達日が早いこと、-は遅い事を示す)

まず、春夏ニンジンの種まきが行われた2月半ば以降の最高気温積算値について比較してみました。

上表で100℃到達日とあるのは、2月15日以降の日々の最高気温の積算値が100℃に達した日の事です。2020年の方が2019年より1日早かったようです。以後200℃到達日から1500℃到達日まで、1-2日づつ早い状態が維持されています。

ただ、極端に今年の方が暖かかったとは言えず、ほぼ同じ程度の気温状態だったと考えた方が良さそうです。

2000℃到達日は、今年の方が一日遅くなっています。

次に、降雨日数を比較してみました。

4月に関しては、2019年の方がやや多く、逆に5月に関しては、2020年の方が雨の日が倍近くになっています。2020年の方が雨の日が非常に多かったとも少なかったとも言えないようです。

このように春夏ニンジンの生育期間の気象データを見る限り、今年の方が、特別にニンジンの生育が遅くなる、または早くなるとは考えにくく、実際、市況データでみても、そんなに入荷量が減ってはいないようです。

この間のニンジンの高値状態は、千葉の春夏ニンジン生育期の気象条件によるものとは考えにくいようです。

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