3)田舎ぐらしの始め方

菜園起業の受講生で「田舎暮らし」に成功した例をみると、いくつかのパターンがあるようです。
都市と農村を往復する「二地域居住型」で活動している方の場合、栽培実習などに通ううち、地元の人と仲良くなって、農家の廃屋や遊休農地を借りれるようになったと言う例が多いようです。
そうした拠点を確保した後は、地元の野菜を都内に持ってきてマルシェなどを行う一方、東京から地元に人を連れていって農業体験をしてもらう「農村旅行」の活動を続けていらっしゃる方が多いようです。
中には、本当に今までの仕事を辞め、野菜の販売やお料理のお店を開く方も出てきています。
菜園クラブに実習に来ているうちに、それが知り合いの方と話の「ネタ」になって発展したと言う方も多くみかけます。「地元定住型」の場合、多くは、東京から2~3時間程度の距離で成功しているようです。
週末農業の会を作り、高齢者の方が耕作できなくなった水田1万平米、野菜4000平米、梨2000平米を耕している、お知り合いの方から地元のお寺の総代につながり縁談がまとまったとか、田舎の不動産を確保出来たと言う例もあります。
やや遠方の事例では、ご実家が仙台にあり、お仕事でも都内と仙台を頻繁に往復する事が多い方で、ご実家の周りの畑や竹林をフィールドに活動されている例があります。また、夜行バスで新潟方面に通い農作業をしているとか、福島の農業グループを前日収穫したお野菜を翌日・都内の朝市で販売している例も見られます。
こうした「夜行バス・トラック日帰り圏内地域」の場合、年に数回、田植えや除草、稲刈りなどに通う「稲作ツアー」などの企画づくりに成功していることもあります。
いずれの例でも、地方・都内、両方の関係者が比較的頻繁に往復できて、相互に人間関係が広がりやすい事がわかります。
300km以上圏では、事例も少ないですし、仮に田舎暮らしそのものは出来たとしても、元々住んでいた場所のご家族やご友人、職場のご関係者などとも連絡が取りにくく、地域と都市を結んでの活動が広がりにくいとも考えられます。
仙台の方の場合、東京300-400km圏ですが、ご実家やお仕事の関係が既にあった事が基盤になっているのでしょう。全くゼロベースから考えるとしたら、200km以内の地域で交流を積み上げる方が現実的と思われます。
交流を継続し、人間関係が広がってくれば、意外と簡単に「田舎暮らし」も実現していくかもしれません。


田舎暮らし…200km圏ぐらいで交流を積み上げる方が現実的

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