野菜栽培では、「マルチ」と呼ばれるポリシートを地面に張ることがあります。
野菜を植えるところにだけ穴が開いていて、それ以外の部分はシートで覆われるので、草が生えにくいと言われています。
では、絶対に草が生えないかと言うとそんなことはありません。
野菜を植えるための穴のところにも草が生えてきます。収穫が終われば、野菜自体がなくなってしまうので草は更に茂りやすくなります。
また、マルチの裾は土に埋めて固定しますが、ここにも草が生えてきます。
次の野菜を植えるためには、いったんマルチを剥がして、耕しなおす必要があります。このマルチ剥がしは手間がかかる作業の代表格とされています。
草の根が絡んだ地面は固まっていて、裾を掘り起こすのも一苦労、裾を掘り起こしても、マルチの穴の部分の地面にも草が絡んでいて、シートをスラッと剥がす事がなかなか出来ません。
この作業に障がい者の人が参加することはできるのでしょうか?
今回は、この作業の改善を検討してみました。
まず、使うことにしたのは、「踏み犂」と呼ばれる道具です。
スコップと同じように足で押して地面にめりこませ、土を掘り起こす道具です。
踏み犂は、尖った「爪」が何本か出ていて、スコップより地面に刺さりやすく掘り起こしに向いている道具です。
また、マルチにふれても、シートに穴があくだけで破くことは少ないようです。
この踏み犂と前回使った「カラフルバー」、それに「田引き紐」を組み合わせた作業を考えてみました。

作業前の様子です。こんなふうに草に覆われていて、どこにマルチが張られているか全く分かりません。
とりあえず、端の部分を探して地面に露出させ、カラフルバーをあてがってみます。

そして、畝の中心から40センチのところに、田引き紐の一方の端を結んだピンポールをさしてみました。
マルチの反対の端も露出させ、田引き紐の他方の端を結んだピンホールをさしました。
こうすると、畝の中心から40センチのところに田引き紐を張ることができます。

田引き紐に沿って、踏み犂をあてがい、順に掘り起こしていきました。
するとあまり手間がかからず、マルチの両裾は掘り起こすことができました。
こうしておいて、裾の下から厚カマを入れて、草の根を切っていきました。

根を切られてしまうと雑草はあまり地面に絡まなくなり、楽に抜けます。
こうして、畝の内部や両裾に生えていた雑草を除去して、マルチを剥がすことに成功しました。

説明のしかたにもよるかもしれませんが、障がい者の人でも「田引き紐に沿って踏み犂をあてがう」と言うように説明すれば、マルチ剥がしの作業ができるかもしれません。
また、このように作業すると、草の根を除去してマルチを剥がせるので、次に耕す時、草の根が耕具に絡むことがなくなります。
このように次の作業を効率的に進められる事も、この方式の良い点だと思います。
やってみた印象としては、規格品の95センチ幅のマルチを剥がす場合、畝の中心から40センチではなく、45センチのところに田引き紐を張って、踏み犂をあてがうようにした方が良いようにも思いました。
また、当初、マルチの端を露出させる時、どこが端か分からないため、少し手間がかかりました。
このへんは、改良の余地がありそうです。
ただ、今回も障がい者の人ができる方法を検討した事によって、効率的な作業方法を見出す事ができました。
やはり、障がい者の人が出来る野菜栽培マニュアルの検討は、自分自身の農園の作業の効率化につながるようです。
今後もこうしたテストを繰り返しながら、障がい者の人が出来る方法を検討していきたいと思います。