野菜づくりの「初めの一歩」はこれなんじゃないかと思いつく

大根の発芽イメージ写真

教えてやると言いながら、ちゃんと口で説明できない僕の野菜づくりの師匠でしたが、

来る日も来る日も、同じように「畝立て」、
これは野菜を植えるために、土を細長く盛り上げる作業ですが、
それをさせられているうちに、
僕はある事に気づきました。

つまり、これこそがあらゆる野菜に共通した「基本的な作業」なんじゃないかと言う事です。

野菜栽培と言うのは、
育てる野菜の種類によって、あるいは、季節によって、またその畑の土質によって、
使う技術と言うのは違いますが、

とにかく、地面に肥料なり、堆肥なりを撒いて、
土を掘り返し、一定の高さに盛り上げて(これが「畝立て」)、
そこに種をまいたり、植えたりするのは、
どの野菜も共通なわけです。

スポーツでも音楽でも、
「その世界の外側」から「その世界」に初めて入ってきた「初心者」、「未経験者」の方に
初めから「難しい事」は教えないと思います。

初心者の方には、「その世界」の中で基礎になるような事を最初に
教えていると思います。

そして、その基礎になることは「それ以外の世界」には存在せず、「その世界」にしかないような事を
だと思います。

例えば、全く泳いだ事がない人に、水泳を教える場合、「顔を水につけて浮く」ことを最初に教えるのではないでしょうか。
「水の外」の世界、「空気中の地面」の上を歩いたり、走ったり、跳んだりしている場合には、
「水に浮く」必要はありませんが、

「泳ぐ」ためには、「水に浮く」必要があります。

平泳ぎはこう、バタフライはこう泳ぐ、
更に「タイム」を出すには、フォームをこうした方がいいと言うのは、
「入り口」を入って後の話なわけです。

おそらく、今、「泳げる」人は、昔々、プールに初めて入った時、
「顔を水につけてください」
「そして、底から足を離してください」

と言われた時のことを覚えていると思います。

顔を水につける事の不安、その不安を超えて、足が底から離した時の事、
溺れる事なく、身体が水に浮かんだ時の事です。

こうした体験を通じて、「空気中を歩く」事とは違う、
「水の中を泳ぐ」世界に入っていくのだと思います。

野菜づくりを教える(教わる)場合も同じで、
トマトはこう育てる、ほうれん草はこう育てる、
冬は保温が必要だし、夏は要らない的な事柄は、

「地面を掘り返して、土を盛り上げる」事の先にある話で、

入り口は、「地面を掘り返して、土を盛り上げる」ことなんじゃないか、

そうか、とにかく、地面を掘り返して、土を盛り上げ、そこに野菜を植えるんだ
この体験をしてもらった後で、「トマトはこう」、「ほうれん草はこう」、「冬はこうする」
「夏はこうする」と言う「応用的な技術」を教えていく

そういうカリキュラムが必要なんだ、

このカリキュラムを整備していこう、

僕は、そう思って、「野菜栽培レッスンプロ」の道を歩み始めたのでした。

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