思った通りの場所に土が盛れるか?

半農予備校・菜園起業大学の野菜栽培基礎講習は、「自動車教習方式」で行っています。

菜園教室や実習に来る人達を見ていて、将来的に自分で農園を運営する事を目指すなら、こうした形で「基本技術」を身につけた方がよいと考えたからです。

第1図 地面に溝を掘ったところ

今、仮に上の図のように地面に溝を掘ったとします。

そして、溝底に肥料を埋めて埋め戻し、反対に盛り上げて下の図のような状態にしたいとします。

第2図 溝を埋戻し、反対に盛り上げたところ

第2図のような状態を作る場合、第1図の時に、B~Eのどこにクワの刃をあてがえばよいでしょうか?

溝を掘った直後、溝の両脇には第1図のように土が盛り上がっています。

Bは、溝のまさに際、溝脇に盛り上がった土の山の溝ギリギリの内側です。

Cは、土の山の頂点付近、

Dは、土の山の外側部分、

Eは、土の山から外れた地面の部分です。

実は、B~Eのどこにクワ等の農具の刃をあてて掘るかで、土が盛られる場所は変わってきます。

ですから、「自分が思った場所」に土を盛るためには、「どこを掘るか」は重大な問題なのです。

しかし、ほとんどの人は、その点を考えないで地面を掘ってしまう、菜園教室や実習に来る人達を見ていてそうなっている事に気づきました。

初心者だからしょうがない?と言う意見もあると思います。

ここを掘るんですよって教えればいいじゃないか

もちろん、その通りです。

しかし、実は公的な農業の講習に通っていた人でも掘る場所を意識しないでいる事が多い事に気づきました。

また、ここを掘るんですよって教えても、次の時になると、

どこを掘るんでしたっけになる人が多い事にも気づきました。

自動車教習で考えてみると、クランク路とか縦列駐車とか坂道発進などの課題ごとに、

ここでハンドルを切る、サイドブレーキを引く、アクセルを踏むなどの「手順」が「癖」のように身につくまで反復して教えています。

思った場所に土を盛るためには、地面のどこを掘ればいいかと言うのも、「癖」のように身につくまで反復して教えた方がよい。

公的なものも含めて、既存の農業実習では、年間を通じて野菜を育てさせる事を行っていますが、意外と個々の「基本操作」の反復練習をさせていないので、基本操作が身についていない事があるらしい・・・

これが、「自動車教習方式」での実習を思い立った理由です。

それと少なくとも当初の段階では、自動車教習方式だと、各課題を「受講すればよい」ので、「年間を通じて野菜を育てるために、一定のペースで通い続けなければならない」事がありません。

毎週とか、隔週、絶対に1年間通わなければならないと言われてしまうと、自分に出来るかどうか分からないと二の足を踏んでしまう人も多いようです。

一日体験で土に触れた後は、とりあえず、「自動車教習方式」の基礎講習に通ってみてはいかがでしょうか。

Follow me!

PAGE TOP