良い野菜は良い土から生まれます。土が良ければ、野菜づくりを始めた最初の年からでも、かなり良い野菜を作る事が可能です。
そして、良い土を作り、適正な肥料を与える方法が土肥技術です。
土肥技術を学ぶ上で、最初に理解しておくべきなのは、土づくりと養分提供は違うと言う点でしょう。
土は岩石が砕けて出来た粘土や砂に落ち葉、虫の死骸、動物の糞などが混じって団粒構造と呼ばれる独特の状態になったものです。土は単なる鉱物粒子の集まりでもなければ、粘土や砂に落ち葉や糞が混ざったものでもありません。鉱物と生物が関わりあって成り立たせている「生きているシステム」なのです。
そして、単なる砂や粘土を「生きている『土』」に変え、維持していくためには、有機物を与え続ける必要があります。これが土づくりで、野菜の生長に必要な養分を与える事とは異なります。
例えば、落ち葉や稲わらは養分が少なく、土づくりのために用いられます。鶏ふんや油カス、化学肥料等は主に養分提供のために使用されます。牛ふんは、普通は土づくりのために使用されますが、一定の窒素やカリが含まれているため養分供給効果も持っています。
養分には適量があり、多すぎても少なすぎても野菜はよく育ちません。野菜には色々な養分をバランスよく与える必要があります。
土づくりの資材や肥料には色々な種類があり、一口に化学肥料とか、有機肥料とかと言ってもものによって含まれる養分の種類や割合が異なります。
正確な知識を持たないまま、「有機農法」や「自然栽培」を試みようとする人がいますが、そうした「素人の生兵法」は大変に危険で、土の状態をおかしくしてしまう可能性があります。
肥料や堆肥についての知識は、座学やネット講座でも短期間で習得可能なので、そうした研修等を受けるようにしましょう。
古代人は、水・空気・火・土を4大元素と考えていました。
このうち、「水」は、現代科学ではH2Oであるとされています。
では、「土」はなんでしょうか?
土についての科学知識を学んでいきましょう。