今年4月~5月、さいたま市近辺では野菜の発芽があまりよくなかったようです。
4月は冷え込む日が多く、5月は雨の日が例年になく少なかったためです。
では、6月はどうだったのでしょうか?
2019年6月を1985年以来、毎年の6月の気象データと比較してみると
かなり温かい(暑い)状態だった事が分かります。
1985~2019年まで過去35年間の6月の平均気温積算値の平均は、652.8℃でしたが、
2019年は658℃と5.2℃上回っています。
最高気温については、平均777.1℃に対し、2019年787.4℃と10℃以上も高い状態でした。
最低気温についても、平均545.7℃に対し、2019年549.2℃と4.5℃上回りました。
もっとも、1985年~2019年の気温積算値を低い順に並べて見ると、
平均気温については過去35年間の17位、最高気温については16位、最低気温については18位と
「中位」レベルです。
実は、平均気温積算値を低い順に並べた場合、18位以降には1999年以前の6月は3件しか見当たらず、
他は2000年以降です。
同じ比較を最高気温や最低気温についても行ってみると、
1999年以前は、最高気温については5件、最低気温については3件で、
気温が高めの年はほぼ2000年以降になっています。
つまり、さいたま地方では、21世紀になってから、20世紀終期より、6月は高め傾向が維持されており、
2019年も同様だったと言えるでしょう。
では、雨についてはどうだったのでしょうか?
まず、総降雨量は217ミリで、過去35年間の平均147ミリよりかなり多くなっています。
さいたま地方6月の総降雨量を低い順に並べた場合、2019年は31位、
過去35年間で5番目に6月の総降雨量が多かった年でした。
しかし、「降り方」にはかなりバラツキがあったようです。
過去35年間のデータと比較してみると、
例年6月は降雨量1ミリの日が5.6%や2-3ミリ程度の日6.5%なのに対し、
2019年6月は、1ミリの日は0%、2-3ミリの日は4%となっています。
2019年6月はお湿りの日が少ない6月だったのです。
一方、11-20ミリの日は例年の7%に対し、2019年は13.3%と倍近くあります。
50~100ミリの日も例年の0.8%に対し、2019年3.3%でした。
2019年は、30日間のうち、降雨量11ミリ以上の日が6日、1ミリ未満だった日が17日、
合わせて23日になり、
1ミリの日はゼロ、
4-10ミリの日が7日間でした。
2019年は、21世紀になって続いている「暑い6月」が維持され、
降れば土砂降りだが、「お湿り」は少ない月だったと言えます。
梅雨のイメージが強い6月ですが、
夏至は太陽高度が年間で最も高くなる時季です。
雲がなければ日射しが強くなります。
気温も高いので、雨が降らなければ、土は乾きやすくなります。
実際、見沼菜園クラブでも、夏まき秋冬どりニンジンの発芽率はあまりよくありませんでした。