農作業も野菜の収量も天候に左右されます。
毎年、梅雨になると、農家は、どのくらい降るのか、いつ明けるのかヤキモキ。
雨が降り続く年もあれば、空梅雨の年もあり、その都度一喜一憂しています。
その「梅雨」の捉え方について、ちょっと考えてみました。
上の図は、さいたま市の5-7月の日々の日照時間を示したものです。青い線は平年値、赤い線は2021年のものです。
ただし、今日は晴れ、今日は雨と、日照時間は日ごとのバラツキが大きく、それに目を奪われてしまうと、「大まかな変化の傾向」が捉えにくくなってしまいます。
そこで2021年については、5日間平均の値を示しました。
まず、平年値についてみてみると、6月8日に5時間を下回った後、次に5時間以上になるのは7月19日です。
7月20日~22日は再び5時間未満となり、5時間以上の状態が続くようになるのは7月23日以降です。
関東甲信地域の梅雨入りは平年6月7日頃、梅雨明けは7月19日頃です。
日照時間からみた場合、6-7月に連日5時間未満となる状態が続いている時季を「梅雨」と認識されている事が分かります。
2021年についてみると、5月15日から25日まで連続11日間、5日間平均値が5時間未満となりました。
今年は梅雨入りが早いと言われていた時季です。
ただし、思ったほど、雨は降らず、5月26日~30日、6月1日~3日、6月10日~15日は日照時間5日間平均値5時間以上でした。
特に6月8日~13日は8時間を越えていました。
こうして、6月前半頃までは今年は梅雨入りが早いと言われただけで実際はむしろ空梅雨なのではないかと囁かれたりしていました。
6月後半になると様相が変わります。6月16日以降、連日、日照時間5日間平均値は5時間を下回り、回復したのは7月17日の事でした。
特に7月3日~9日は1時間未満でした。
畑では雨が続いて草取りが出来ず、夏草が伸び放題になったのが6月末から7月初めでした。
それでも7月18日には5時間以上になり、例年よりやや早い梅雨明けにほっとした事を覚えています。
2020年については、6月21日以降、ずっと5時間未満の日が続き、7月いっぱい回復しませんでした。
梅雨明けしない長梅雨の年と言われたものです。
2019年は6月23日に5時間未満となった後、27日いったん回復した後、6月30日~7月27日まで5時間未満の状態が続き、長梅雨と言われました。
2018年は6月12日~24日は5時間未満でした。その後、5時間以上が維持されました。7月7日~10日が5時間未満となっただけで以後は再び5時間以上が維持されました。
2017年も6月8日~11日、14日~16日と短期間5時間未満の時があっただけで概ね5時間以上の状態でした。
このように空梅雨になったり、長梅雨になったりと、梅雨期の様相は年によって大きく違います。
そして、その年のパターンを把握するためには日照時間5日間平均値の変動を用いると良いのではないかと思われます。