1930年代、経済学者シュムペータは、「豊かな社会で資本主義のエンジンが停止する」と予測しました。モノやサービスが溢れて新しいビジネスが生じにくくなるため、「投資機会」が消滅し、途上国の開発が進んで「フロンティア」も消滅すると言うのです。
豊かな社会で所得が下がる現状は、シュムペータ予測に近いと思われますが、文化的な消費欲求、すなわち、個々人の嗜好やこだわり、好奇心を満たす「価値」なら無限に増殖出来るかもしれません。「100億総マニア」の経済です。
事実、文化的な消費行動の代表とも言うべき「観光産業」は、世界観光機関によれば、1995年3兆4610億ドルから2010年8兆0060億ドルと倍以上に成長、世界GDPの12.5%を占めると予測されています。
また、ゴールドマン・サックスの伝説のアナリストだった小西美術工藝社社長デービッド・アトキンソン氏は、日本の観光業には、38兆円の伸びしろがあると述べています。
東日本大震災前のものになりますが、平日は都会、休日は農村で過ごす等の「二地域居住」関連産業の市場も8兆円規模と推計されています。
菜園起業は、観光や二地域居住等にも関連が深く、日本経済全体の活性化にも役立ち、個人の生き残り手段としても有力なビジネスと考える事が出来るのです。
80年前(1930年代)に書かれた「資本主義・社会主義・民主主義」は、豊かになることによって資本主義のエンジンが停止する等、示唆に富む本です。他にも、社会主義は独裁だから良くないと言うなら、議会制民主主義と社会主義を組み合わせたらどうなるか?⇒社会主義は計画経済だから計画部門が必要になり、その「計画部門」が物事を決めてしまう「独裁状態」になると言う指摘は、「成功した唯一の社会主義国」と言われてきた「日本」の状況を言い当てているようにも感じる本です。
WTO(世界観光機関)による世界の観光産業の伸び