2022年12月の最高気温積算値は、369℃でした。1980年以来の43年間で暖かい方から数えて第12位の値です。
この数字だけを見ると比較的暖かい12月だったと言えそうです。
ところが、最低気温積算値は40℃で寒い方から数えて第11位です。
つまり、比較的寒い12月だったことになります。
この相反するような数字をどう考えればよいのでしょうか。
1984年以来の12月の最高気温と最低気温の積算値5年間移動平均値をグラフ化してみると、最高気温、最低気温とも上昇傾向にあることが分かります。
1984年の最高気温積算値5年間移動平均値は、334℃でしたが、2022年は371℃、最低気温積算値5年間移動平均値は1984年の37℃に対して、2022年70℃です。
これはさいたま市の12月の日々の最高気温、最低気温とも過去約40年間に1℃ぐらい上昇していることを意味しています。
11月は40年前に比べて、「1日あたり3℃高い」状態で晩秋温暖化状態ですが、12月も「冬の温暖化」となっているわけです。
2022年12月も40年前に比べれば「暖かい冬」の状態にあったと言えるでしょう。
しかし、同時に「寒波の当たり年」でもあったようです。
1980年以来の12月の最低気温-4℃以下の日数をみると、そういう日が全くない年が26回ありました。
-4℃以下の冷え込みがあるのは、2年に1回より少ない頻度なのです。
2022年12月は-4℃以下の日が2回、-3℃以下の日が4回ありました。
2022年は12月の寒波の当たり年だったとも言えるのです。
野菜の生長との関係を考えてみると、2022年は12月前半まで最高気温15℃以上になる日がなんどかありました。
12月下旬にも12-14℃程度の日が比較的多く、ゆっくりではあるが、野菜が生長しやすい状態だったと言えます。
実際、12月になってからも大根やニンジンの根の肥大は続いていました。
最低気温については、平年値が0℃を切るのは12/25のクリスマスです。
今年は、クリスマス前の12/19、12/24に-4℃以下を記録しました。
クリスマス以後は-0℃以下ではありましたが、-3℃~-4℃まで冷え込むことはなかったようです。
葉物野菜の様子をみると、9月まきのシャクシナ、チンゲンサイ、遅まきの山東菜はダメージを受けました。
一方、小松菜、ほうれん草、セリフォンは無事でした。タアサイは一番外側の葉はダメージを受けていますが、内側の葉は大丈夫です。
全般に「葉柄」が広く大きい種類の野菜に被害が出ているようです。
12月の農作業は、その年は、野菜の生長が続くぐらいの気温が維持されそうかと言うことともに、最低気温がどの程度のレベルになりそうかと言うことを考え、最適な保温を行うことが重要と思われます。
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